【アニメで英語】進撃の巨人 シーズン2 第6話

進撃の巨人のシーズン2の第6話から。

ライナーとベルトルトが正体を明かす名シーンからです。

巨人に変身する前のライナーの独白部分です。

独白なので、セリフ間にところどころ間があるのですが、そこは繋げちゃっているのでご容赦ください。

英語字幕や吹き替えは配給会社ごとに異なるので各種あるのですが、字幕版の一番シンプルなものを載せつつ、吹き替え英語で面白いと思ったものをかっこ書きで併記しています。

【原作セリフ】

(ライナー)
そうか、きっと、ここに長くいすぎてしまったんだ。

バカな奴らに囲まれて3年も暮らしたせいだ。

俺たちはガキで、何ひとつ知らなかったんだよ。

こんな奴らがいるなんて知らずにいれば

俺は、こんな半端なクソ野郎にならずに済んだのに

もう俺には、何が正しいことなのかわからん。

ただ、俺のすべきことは、自分のした行いや選択に対し、戦士として最後まで責任を果たすことだ。

(ベルトルト)
ライナー、やるんだな、今ここで。

(ライナー)
ああ、勝負は今ここで決める。

【英語字幕・吹き替え英語】

(Reiner)
I see. That’s it. I’ve been here too long for my own good.

It’s been three long years surrounded by nothing but idiots.

We were just kids. We didn’t know anything.
(What did we know about anything)

If only I never knew that there were people like this,

I wouldn’t have become such a half-assed peace of shit.

It’s too late now. I don’t know what’s right anymore.

But the only choice for me now is to face the consequences of my actions and as a warrior fulfill my duty to the bitter end.
(It is what it is. No choice but to face what I’ve done. As a warrior, no road left with the one that leads to the end. )

(Bertholdt)
Reiner! Are we doing it now? Right here?

(Reiner)
We settle here. Right now, right here.

【日英対照とメモ】
(ライナー)
1.そうか、きっと、ここに長くいすぎてしまったんだ。
I see. That’s it. I’ve been here too long for my own good.

That’s itは「きっと」ではないので、「そうか、そうなんだよ」みたいな感じなんでしょうが、「きっと」と言いつつ確信しているので、これでいいんでしょうね。

その後は、教科書のような現在完了の使い方。今ここにいることが問題なのではなく、ここにいる状態が継続していることが問題なので完了形。

for my own goodというのは「自分独自の良いことのために」つまり「自分勝手な理由で」とか「自分の都合で」の意味。セリフの直訳だと要らないはずですが、各種字幕も吹き替えも全部これが入っているので、入れた方が自然なんでしょうね(まあ、セリフやアニメーションと長さを合わせる都合とかもあるから一概に言えませんが)

2.バカな奴らに囲まれて3年も暮らしたせいだ。
It’s been three long years surrounded by nothing but idiots.

これも教科書のような現在完了形。three long yearsで、long three yearsじゃ駄目なんですかね?

これ、どの字幕も吹き替えも「暮らす」を訳さずに、「この3年間」を強調する言い方になっています。日本語と違って「3年も」の「も」がないから、暮らすを入れちゃうとSVのVが暮らすになってメインになってしまい「バカに囲まれて3年間暮らしました」みたいになっちゃうから、「バカに囲まれたまま3年間だよ」としないとおかしいと判断したんですかね

nothing but idiotsは直訳すれば「バカ以外の何物でもない」ですが、単にバカの強調形で、意訳的には「大馬鹿野郎」と言ったところでしょうか。

3.俺たちはガキで、何ひとつ知らなかったんだよ。
We were just kids. We didn’t know anything.
(What did we know about anything)

字幕はそのまんまですが、吹き替え版のWhat did we know about anything(俺たちが何を知ってたと言うんだよ)は個人的に好きです。about anythingが自分は出てこない。

4.こんな奴らがいるなんて知らずにいれば
If only I never knew that there were people like this,

onlyは特に要らない気もしますが、これがあるとしみじみ、「知らないでいればなあ~」という感じが出るんですかね。セリフの間が多いから入れたのかな。

ちなみに、別の字幕ではIf only I hadn’t knownと過去完了にしているものもあるので、過去形か過去完了かはあんまり細かく考えなくていいと思うことにします。

5.俺は、こんな半端なクソ野郎にならずに済んだのに
I wouldn’t have become such a half-assed peace of shit.

これも典型的な現在完了形。クソ野郎になった瞬間の話をしているのではなく、どこかのタイミングでクソ野郎になってそのまま今に至るから現在完了形。このまま覚えるしかない。

英文法的に最高の例文。

half-assedはお尻半分、つまり、中途半端な。peace of shitはクソ野郎。

6.もう俺には、何が正しいことなのかわからん。
It’s too late now. I don’t know what’s right anymore.

It’s too lateは別に入れなくてもいい気がしますけどね。別の字幕では、I don’t know what’s right and what’s wrong anymore.としていて、これはこれでいい気がします。

7.ただ、俺のすべきことは、自分のした行いや選択に対し、戦士として最後まで責任を果たすことだ。
But the only choice for me now is to face the consequences of my actions and as a warrior fulfill my duty to the bitter end.
(It is what it is. No choice but to face what I’ve done. As a warrior, no road left with the one that leads to the end. )

これは日本語をそのまま英訳するのが難しい。

そこで「自分のしてきたことに正面から向き合い、戦士としての役割を果たす」という文脈にしたわけですが、すごい上手い訳だと思います。その通りですもんね。

辞書を見たら、責任を取る(take responsibility)のほかに、責任を果たす(fulfill responsibility)という言い方もあるみたいですが、英英辞典調べたら、accept/face the consequencesはtake responsibilityの意味とわざわざ書いてあったので、「自分のした行いや選択に対し」にaccept/face the consequenceを使うと、「責任を取り、責任を果たす」みたいになって変なので(たぶん)、やっぱり上手い字幕だと思います。

consequenceは帰結の意味で、基本的にresultと同じ意味なんでしょうけど、resultだと、今日の試合結果みたいな淡白な結果で、consequenceは、行いや言動の「帰結」で、成り行きを強調している。また、「しかるべき結末」「当然の報い」と言った感じで、基本的に悪い意味で使われる。

to the bitter endは「最後まで」「とことん」と言った意味の言い回し。

吹き替え版もかっこいいですね。

it is what it isは直訳すれば、「それはそういうことです」ですが、私たちも、いろいろ考えをめぐらした後に独り言で「そういうことなんだよな」なんてつぶやいたりするわけで、それと同じで、「どうにもしようがないな」と言った感じなんですかね。

No choice but to face what I’ve done.はかっこいいですね。「自分がしたことに向き合う以外、選択肢はない」ですね。consequenceという単語使う方がかっこいいけど、こっちの方がシンプル。

no road left with the one that leads to the end. もかっこいい。こんな英語絶対に思いつかない自信ある。leave withで「誰かに残す」→「任せる」とか「委ねる」。つまり、直訳すると「結末に導いてくれる誰かに任せる道なんてない(自分でけりをつけるしかないんだ)」という所でしょうか。こんなの実際の会話で言われても???となるでしょうね。

(ベルトルト)
8.ライナー、やるんだな、今ここで。
Reiner! Are we doing it now? Right here?

(ライナー)
9.ああ、勝負は今ここで決める。
We settle here. Right now, right here.

settleは「揺れ動いているものを一定の場所に落ち着かせる」と言った感じで、決着をつける、精算する、と言った意味。喧嘩を治めるとか、示談をまとめるとか。

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